映画「夕凪の街 桜の国」公開 佐々部清監督に聞く - 日本

By Rae
at 2007-11-22T03:25
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■生への感謝伝えたい
広島に原爆が投下されて62年。過去といまに生きる2人の女性を通して原爆の影
響を描いたこうの史代さん原作のマンガ『夕凪(なぎ)の街 桜の国』が映画化され、
広島で公開された。28日から東京、大阪など全国で順次封切られる。監督は「半落
ち」「出口のない海」など情感あふれる秀作を生み出してきた佐々部清氏。作品の見
どころや戦争に対する思いを聞いた。(近藤繭子)
──原作を読んだ感想は
「家族3世代が淡々と過ごす日常生活の中で、命が一つずつ減っていくのに、それ
が原爆のせいとは語らない。でも、読み終えると強烈なメッセージが伝わってくるク
オリティーの高い作品だと思う。ただ、最初に読んだときはちょっとわかりづらかっ
た。103ページの薄いマンガなのに、時代が行き来したり、何の説明もなく『ゴエ
モン』と呼ばれる少女が出てきたりするので、すごく複雑で…。何度もめくり戻って
読み返した」
──映画化する上で苦労したことは
「複雑と感じた時代や登場人物のつながりをどう映画で表現するか。映画はマンガ
と違って戻れない。だからこそ、丁寧に表現しないと原作の良さが伝わらないと思っ
た。『夕凪の街』で登場する伊崎充則さんと『桜の国』の堺正章さんは、同じ石川旭
を演じているが、マンガのキャラクターのように顔が似ているわけではない。どうす
れば同じ人物に見てもらえるだろうか、観客が混乱しないように心がけた」
?つなぐアイテムも?
──原作と違うところは
「原作を知っている人がこの映画を見ると、忠実に表現している作品だと思っても
らえるはずだ。ただ、時代をつなぐアイテムとしてアカシアの木を使ったり、命をつ
なげるために皆実(麻生久美子)から七波(田中麗奈)まで髪留めを受け継がせた。
映画的には目で見える形で伝えることが必要だと思ったからだ。ラストシーンで七波
に『この2人を選んで生まれてこようと決めた』というセリフを言わせるために、回
想シーンに七波を登場させたのも映画的手法だ」
──06年公開の映画「出口のない海」でも戦争を扱っている
「戦争については、学校の教科書で習ったことやテレビドラマなどで見た知識しか
なく、みなさんとそう認識は変わらない。ただ、降旗康男監督の戦争映画『ホタル』
に助監督として携わり、戦争を知らない若い世代にきちんと戦争を伝える映画を作る
のはなんて志がいることなんだと意識させられた」
?悲劇で終わらない?
──原爆を描いた作品は数多いが、被爆者の2世、3世が登場するのはめずらしい
「『黒い雨』『はだしのゲン』など悲惨な場面を切り取って強い意志で提示した作
品はたくさんある。この映画も『夕凪の街』だけだと単なる悲劇で終わってしまうが、
今もそれが脈々と理不尽につながっているということを描いた『桜の国』があること
で、若い人たちが入りやすいのではないだろうか。原爆の投下から62年がたち、街
の話から国の話になってしまうタイトルにも意味がある」
──映画を通じて伝えたいことは
「人間、誰だって悩みや問題は抱えている。でも、皆実と七波に比べるとちっぽけ
なこと。生きることを渇望していたのに、理不尽に死んでいく皆実。被爆者の親を選
んで生まれてきたんだといって、幸せになるためにしっかり前を向いて生きている七
波。2人の姿を見ると今、生きていることに感謝できるのではないか。これは日本人
にしか作ることができない映画で、日本人が見なきゃいけない映画。作品を見て、家
族のこと、兄弟のこと、地域のこと、国のことを考えてもらえればうれしい」
■物語
原爆投下から13年が経過した広島の街。原爆で父と妹を失った平野皆実(麻生久
美子)は、心に深い傷を抱えながらも母親と2人で懸命に生きていた。ある日、会社
の同僚、打越(吉沢悠)から愛を告白される。自分が生き残ったことに負い目を感じ、
幸せに飛び込めない彼女を打越は優しく包み込むが、やがて皆実には原爆症の症状が
現れ始める。
皆実が26歳の若さで世を去ってから半世紀後。幼いころに疎開先で養子となった
皆実の弟、石川旭(堺正章)は、娘と息子の家族3人で東京で暮らす。家族に隠れて
夜に外出する父を心配し、後を追った娘の七波(田中麗奈)。広島にたどり着き、家
族が背負ってきたものや自分自身のルーツに思いをはせる。
【プロフィル】佐々部清
ささべ・きよし 明大文卒。映画やテレビドラマの助監督を経て、2002年「陽
はまた昇る」で映画初監督。横山秀夫さんのベストセラー小説を映画化した04年の
「半落ち」で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。49歳。山口県出身。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/70796/
--
個人: 天空部落相簿:http://album.blog.webs-tv.net/terra
HP貼圖區:http://terra03.littleorange.net/HP7777/futaba.htm
共同創作Blog: chat ACG:http://chat-ichigo.blogspot.com/
Japan Entertainer:http://japan-entertainer.blogspot.com/
--
広島に原爆が投下されて62年。過去といまに生きる2人の女性を通して原爆の影
響を描いたこうの史代さん原作のマンガ『夕凪(なぎ)の街 桜の国』が映画化され、
広島で公開された。28日から東京、大阪など全国で順次封切られる。監督は「半落
ち」「出口のない海」など情感あふれる秀作を生み出してきた佐々部清氏。作品の見
どころや戦争に対する思いを聞いた。(近藤繭子)
──原作を読んだ感想は
「家族3世代が淡々と過ごす日常生活の中で、命が一つずつ減っていくのに、それ
が原爆のせいとは語らない。でも、読み終えると強烈なメッセージが伝わってくるク
オリティーの高い作品だと思う。ただ、最初に読んだときはちょっとわかりづらかっ
た。103ページの薄いマンガなのに、時代が行き来したり、何の説明もなく『ゴエ
モン』と呼ばれる少女が出てきたりするので、すごく複雑で…。何度もめくり戻って
読み返した」
──映画化する上で苦労したことは
「複雑と感じた時代や登場人物のつながりをどう映画で表現するか。映画はマンガ
と違って戻れない。だからこそ、丁寧に表現しないと原作の良さが伝わらないと思っ
た。『夕凪の街』で登場する伊崎充則さんと『桜の国』の堺正章さんは、同じ石川旭
を演じているが、マンガのキャラクターのように顔が似ているわけではない。どうす
れば同じ人物に見てもらえるだろうか、観客が混乱しないように心がけた」
?つなぐアイテムも?
──原作と違うところは
「原作を知っている人がこの映画を見ると、忠実に表現している作品だと思っても
らえるはずだ。ただ、時代をつなぐアイテムとしてアカシアの木を使ったり、命をつ
なげるために皆実(麻生久美子)から七波(田中麗奈)まで髪留めを受け継がせた。
映画的には目で見える形で伝えることが必要だと思ったからだ。ラストシーンで七波
に『この2人を選んで生まれてこようと決めた』というセリフを言わせるために、回
想シーンに七波を登場させたのも映画的手法だ」
──06年公開の映画「出口のない海」でも戦争を扱っている
「戦争については、学校の教科書で習ったことやテレビドラマなどで見た知識しか
なく、みなさんとそう認識は変わらない。ただ、降旗康男監督の戦争映画『ホタル』
に助監督として携わり、戦争を知らない若い世代にきちんと戦争を伝える映画を作る
のはなんて志がいることなんだと意識させられた」
?悲劇で終わらない?
──原爆を描いた作品は数多いが、被爆者の2世、3世が登場するのはめずらしい
「『黒い雨』『はだしのゲン』など悲惨な場面を切り取って強い意志で提示した作
品はたくさんある。この映画も『夕凪の街』だけだと単なる悲劇で終わってしまうが、
今もそれが脈々と理不尽につながっているということを描いた『桜の国』があること
で、若い人たちが入りやすいのではないだろうか。原爆の投下から62年がたち、街
の話から国の話になってしまうタイトルにも意味がある」
──映画を通じて伝えたいことは
「人間、誰だって悩みや問題は抱えている。でも、皆実と七波に比べるとちっぽけ
なこと。生きることを渇望していたのに、理不尽に死んでいく皆実。被爆者の親を選
んで生まれてきたんだといって、幸せになるためにしっかり前を向いて生きている七
波。2人の姿を見ると今、生きていることに感謝できるのではないか。これは日本人
にしか作ることができない映画で、日本人が見なきゃいけない映画。作品を見て、家
族のこと、兄弟のこと、地域のこと、国のことを考えてもらえればうれしい」
■物語
原爆投下から13年が経過した広島の街。原爆で父と妹を失った平野皆実(麻生久
美子)は、心に深い傷を抱えながらも母親と2人で懸命に生きていた。ある日、会社
の同僚、打越(吉沢悠)から愛を告白される。自分が生き残ったことに負い目を感じ、
幸せに飛び込めない彼女を打越は優しく包み込むが、やがて皆実には原爆症の症状が
現れ始める。
皆実が26歳の若さで世を去ってから半世紀後。幼いころに疎開先で養子となった
皆実の弟、石川旭(堺正章)は、娘と息子の家族3人で東京で暮らす。家族に隠れて
夜に外出する父を心配し、後を追った娘の七波(田中麗奈)。広島にたどり着き、家
族が背負ってきたものや自分自身のルーツに思いをはせる。
【プロフィル】佐々部清
ささべ・きよし 明大文卒。映画やテレビドラマの助監督を経て、2002年「陽
はまた昇る」で映画初監督。横山秀夫さんのベストセラー小説を映画化した04年の
「半落ち」で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。49歳。山口県出身。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/70796/
--
個人: 天空部落相簿:http://album.blog.webs-tv.net/terra
HP貼圖區:http://terra03.littleorange.net/HP7777/futaba.htm
共同創作Blog: chat ACG:http://chat-ichigo.blogspot.com/
Japan Entertainer:http://japan-entertainer.blogspot.com/
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